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「フオォォォォォォン!」 “うわぁ!はっ・・・速いっ!!” アクセルを深々と踏み込むと同時に、私は頭が真っ白になるような衝撃を受けた。もちろん156GTAには0−100km/h加速を6秒そこそこでこなし、最高速度は250km/hに達する実力があるのだから、物理的にも第一級の動力性能を持ったクルマであるには違いない。しかしこのクルマが私に訴えてかけて来る速さは、そんな数値で示せるようなタイプのものだけではなかった。軽快かつレーシーなアルファ・サウンドを伴いつつ、4,500回転付近から一層鋭さを増して吹け上がるエンジンは、いかにもNAっぽい有機的かつ官能的なフィーリング。この艶のあるエンジンをカチッカチッと決まる6速MTを駆使してブン回せば、私の目や、耳や、もうそれこそ体中全ての細胞が、「今、フル加速をしているのだ」という実感に刺激されて、活性化する。 そう。このGTAの速さは感性とシンクロし、思い切り魂を揺さぶるタイプのものなのだ。だからこのクルマよりも数値的には速いクルマよりも、ずっと心地良く、そしてはるかに速く感じられる。さすが、栄光のバッジは伊達じゃない。

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快適性も、これまた上等だ。足回りはノーマルよりも固めにセッティングされているにもかかわらず、目地や段差を乗り越えた際の突き上げもよくチェックされており、ロードノイズの遮断も十分満足のいくレベル。また試乗前はハイパワーのFF車ということで、前輪が暴れ回るジャジャ馬なのではないかと少し心配だったのだが、156GTAは前の2輪で250psを余すことなく路面に伝えたばかりか、164など過去のモデルに見られたようなトルクステアも、ほぼ完璧に抑えられていた。 続いて走りの舞台がコーナーのセクションへと入ると、156GTAはますますその輝きを増していった。 ブレーキングポイントで減速を開始すれば、ホイールから覗く赤いブレンボ製キャリパーがおごられたブレーキは、極めてリニアにスピードを殺す。そしてフロントに荷重が乗ったところでクイックかつ正確なステアリングを切り込むと、真っ赤なボディはアルファ伝統の適度なロールを伴いつつ、まるで吸い寄せられるように理想のラインをトレースした。 “このクルマ、サーキットに持ち込んでみたい・・・” 夢中で走るうちに、そんな考えが浮かんでいた。やはり40年以上の時を経ても、「GTA」という血は争えないのだろうか?

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アルファロメオはその歴史から、スポーティーな走りから、今も多くの熱狂的なファンの支持を受けているのはご存知の通りだ。新しい中にも、過去の栄光のモデル達のディテールが散りばめられたエクステリア&インテリア。十分な実用性を持ち、走れば全てがとにかくダイレクトかつ官能的で、振り回せば本当に夢中になれる――156GTAに乗ると、アルファロメオに魂を奪われた人々の気持ちが良くわかる。 走る喜びがギュッと凝縮された156GTA。このクルマはアルフィスタのみならず、全ての走る事を愛する人々に、ぜひとも味わってもらいたい1台だ。
impression,model:三上和美(http://mikamikazumi.net/)
text,photo:吉田 央
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