Impression Vol.06 アルファロメオ159 from チェッカーモータース株式会社

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ついつい頬の緩む、走り味

スターターボタンを押してエンジンを始動(このクルマのエンジンスタートは、センターパネルのメーター横にある穴にキーを挿し込み、ボタンを押して行う)。すると156に比べるとボリュームは少し下がってはいるものの、2.2リットル4気筒のJTS(ジェット・スラスト・ストイキオメトリック=直噴)ユニットは、明確なサウンドを伝えてくる。このエンジンはオペルにも使われているGMのアルミブロック・エンジンをベースに、アルファロメオが開発したヘッド部分を載せたもの。試乗前はアルファらしさが薄れているのではないかと不安だったが、走り出した瞬間に、そんな心配は全くの杞憂であることがハッキリした。
軽く、少々ストロークの長いクラッチをリリース。アクセルを踏み込めば、3,000回転くらいから俄かに活気付き、4,500回転を超えると勢いを増してさらに上の領域に飛び込もうとするエンジンは、正にアルファ流そのもの。1,570kgのボディに対し2.2リットル・185馬力なので、凄く速くはないけれど味わいは十分だし、その際のサウンドも絶品だから、ローギアードかつクロスしたミッションを駆使して走り回ればドライバーの気持ちは否が応にも盛り上がり、ついつい頬が緩んでしまうのは間違いない。

エンジンルーム

ボディ剛性が大幅アップ!

156から一番進化したもの――それは静粛性と乗り心地だ。
風切り音は極めて低くロードノイズもよくチェックされており、JTSユニットの発するサウンドのみが響き渡る室内は、クルマ好きにとって非常に心地良い空間だ。また大幅にアップしたボディ剛性のおかげでサスペンションもよく動き、固めの味付けながらもしなやかな、見事なフラットライドを実現している。この乗り心地はスポーティーなセダンとしては、世界的に見てもトップクラスではないだろうか。 軽く振り回してみる。156ほどではないが、それでも十分にクイックなステアリングを切り出すと同時に、159は軽いロールをともないながら、4輪をしっかりと路面に接地させつつコーナーを抜けていく。その走り味は、小さくないロールと共にコーナーをひらりひらりと舞い渡る、往年のアルファに近い印象だ。なおその際のステアリング・インフォメーションは絶妙で、さらに高剛性ボディの恩恵か、操舵感も非常に滑らかであることも付け加えておきたい。

改造

このクルマの誕生を、心から歓迎したい

このように数多くの美点が存在する159だが、このクルマの特長をひとことで表すなら、やっぱり「乗って楽しいアルファ・テイスト」という、極めてエモーショナルな部分に落ち着くだろう。
このクルマの開発が行われた頃は、ちょうど親会社であるフィアットがGMとの提携関係にあった時期と重なっていたため、159には一部にGMのコンポーネンツが使われている。しかし食材に少々輸入品が混じったことなど、自分の味を知り尽くしたミラノの老舗レストランの料理人達には全く関係がなかったようだ。 159は、それまでのモデル達の良さ=アルファ・テイストを引き継いだまま、ボディの剛性アップや乗り心地を含めた居住性の向上、さらにはまた少し仕上げの良くなったインテリアなどといった面で改善を受けた、「4ドア・ベルリーナ正常進化路線」にピッタリと乗っている。だからこの新世代モデルはきっと、従来モデルのオーナー達が乗り換えても、正直に“良くなったな”という感想を持てるクルマに仕上がっていると思う。 グループ化が進み、各メーカーの創るクルマが似てきてしまっている昨今、自らの個性である「運転する喜び」を体現したアルファロメオ159の誕生を、私は心から歓迎したい。

impression,model:三上和美(http://mikamikazumi.net/
text,photo:吉田 央

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